Vol. 18 ルイ14世(1638-1715)
「太陽王」とよばれたフランス王
ダイヤモンドが王族や権力者が身に着けるものとして日の目を見たのは「太陽王」と謳われたフランスのルイ14世の統治時代のことです。
ルイ13世の息子として生まれたルイ14世は4歳で即位。幼少時の教育はジュールズ・マラザン枢機卿にまかされましたが、ルイの社交性や芸術とエレガンスを愛する心はこのときに植えつけられたものです。
20歳のときに、ルイはマザランの姪であるマリー・マンシーニと恋に落ちますが、フランスとスペイン2国間の平和のためにスペイン王の娘、マリア・テレーザと結婚しました。
マザランの死後、ルイは政府の統治を掌中に収めます。彼の個人的見地では王の権利とは実質的な独裁に等しいと考えていました。ルイはフランス陸軍と海軍の軍制を整備、次々と戦争に参加し、戦費調達のために新税を相次いで設け、また放漫財政で国家財政を苦しめ、ために国民は疲弊していきました。王妃の死後、彼は密かにマントノン侯爵夫人と結婚しました。
太陽王の宮廷の華やかさに勝るものはないでしょう。芸術を後援し、ルイはベルサイユ宮殿を建て、ラシーネやモリエールのような作家を援助、フランスの栄光を象徴するようなモニュメントや銅像を多数建造しました。ヨーロッパで探しうる最高の宝石を収集しました。1669年には112カラットもあるブルーダイヤモンド(有名なホープダイヤモンドはこの宝石からカットされたものと言われています)とその他にも44個の大きなダイヤモンドをタベルニエという貿易商から、それよりも小さめのダイヤモンド1122個をバズという貿易商から手に入れます。これによりフランス王室の宝物は7倍もの価値になったといいます。
ルイは1715年に77歳で亡くなりました。