Vol. 7 レジデンツ・シャッツカマー
レジデンツ・シャッツカマー(王宮宝物殿)(ドイツ、ミュンヘン)
Residenz Schatzkammer, Munich, Germany
旧ババリアの王宮だったレジデンツは、300年以上にわたって建てられ、第二次世界大戦後に更に拡張しました。王宮のうちの10室がヨーロッパで最高のジュエリーコレクションを所蔵するシャッツカマー(宝物殿)になっています。
1室には中世の王冠が展示されています。金の輪に真珠やカボションカットの宝石がセットされたもの、11世紀のドイツの女帝のために作られたフィリグリーが施されたもの、贅沢に宝石を施したフルール・ド・リスのモチーフの14世紀の王冠などです。
ドラマティックなスポットライトが当てられた特別室には、宝石とエナメル細工が施された、ドラゴンを殺めている聖ジョージの像があります。黄金で細工され、ロッククリスタルの剣を振り回している、甲冑を身に着けた騎士は、瑪瑙を彫刻した馬に跨っています。1590年頃に制作されたこのグループは宝石とエナメルで細工された台座に乗っています。130個のエメラルド、430個のルビー、348個の真珠、2600個以上のダイヤモンドが飾られています。
ロッククリスタル、琥珀、ブラッドストーンなどの宝石から作られたゴブレット、ボウル、箱などが展示されている部屋もあります。黄金の装飾品の中には印象的なエナメル細工とブルーサファイアで飾られた16世紀の蓋付きカップもあります。
この美術館には18世紀から19世紀のダイヤモンドや宝石がセットされた帽子飾りや式典に使われた勲章のコレクションがあります。また、1800年頃に作られたババリア王室のジュエリーも展示していますが、その中には、2つの王冠、宝珠と王しゃく、剣があります。1830年にテレーズ女王のために作られたジュエリーは、ダイヤモンド、ルビー、スピネルがセットされた、ティアラ、ネックレス、ブレスレット、イヤリングからなっています。