Vol. 8 グリーンボールツ(緑の丸天井)
グリーンボールツ(緑の丸天井)(ドレスデン、ドイツ)
The Green Vaults, Dresden, Germany
1560年にザクセン選帝侯アウグスタス強王がドレスデン王宮にこの地方の芸術品や宝物を収蔵するためのドレスデン・アートチェンバーを設立しました。ドレスデン王宮の「緑の丸天井」は、金や銀の貴重品を収蔵する場所で、後に拡張されました。
「緑の丸天井」はヨーロッパで最も壮麗な宝物館です。ここにはジュエリー及び金銀細工の名作、琥珀や象牙を使った工芸品の傑作、宝石仕立ての器、ブロンズ彫刻が集められています。壮観ともいえるルネッサンス、ロココ、バロックのジュエリーの中には、世界最大の天然グリーンダイヤモンドである41カラットの「ドレスデングリーンダイヤモンド」があります。
ヨハン・ディングリンガーによる「ムガール帝国皇帝の宮廷」は「緑の丸天井」で最も有名な宝物です。これはムガール皇帝の誕生祝いの模様を表現した黄金のジオラマで、何千個もの宝石が使われ、たくさんのミニチュアの人や家具はエナメル細工で出来ています。
その他には黄金のコーヒーセット、“186の顔”が彫られたさくらんぼの、大きな象牙製フリゲート、幻想的な真珠人形、その他工芸品の名作が世界的に比類無い展示で人々の目を楽しませています。
この宝物館の華麗さはバロック時代の総合芸術作品として、その最高の栄華を肌に感じることができます。