ダイヤモンドの歴史
初めて人類がダイヤモンドと出会ったのは古代インドと言われています。紀元前1世紀ごろギリシアに伝わり、さらにローマ帝国全土にまで広まりました。中世、ルネッサンス時代を経て15世紀にいたるまでダイヤモンドの産地はインドだけでした。その後、ブラジルでもダイヤモンドが発見され、市場におおきな衝撃が走りました。19世紀半ばになりブラジルでの採掘が底を尽くと、代わって南アフリカでの採掘が盛んになりました。
ダイヤモンドがはっきりと文献に現れるのはローマ時代になってから。自然科学者プリニウスの博物誌によると、当時の採掘方法や性質などが詳しく記されています。この記録の中に、特にインド産のものとして「透明で平滑な面が六つの角で出会っている。それは二つの反対の方向へその先端に向かって先細りになっており、その一番広い部分でくっつきあっている」(今でいう正八面体の結晶)と記録されているのが最古に残るダイヤモンドに関する文献です。
また、この文献には「地球上すべての良きものの中で最高の価値を与えることができるものはダイヤモンド」とも記されています。当時は現代以上に稀少価値が高く、高貴な人々にだけ知られているのではなかったのでしょうか。
中世になり、魔除けとして身を護るものとして使われてきたようです。その硬さから魔を祓い、呪いを跳ね返し、毒を消す強力な魔法護符とされていたそうです。嘘をついているものに持たせると曇ったり、青ざめたりするとも言われ、古代の裁判で用いられた…とも伝えられています。
1475年頃、ダイヤモンドの研磨技法がベルギーの研磨職人によって発見されたそうです。この技法により、美しい輝きが引き出され、宝飾品として脚光を浴びるようになりました。
ダイヤモンドが名実ともに宝石界の王に君臨したのはブリリアントカットの原型が発明された17世紀末以降です。
2015-03-02 19:48