合成石(シンセティックストーン)
合成石は、天然石とまったく同じ化学組成、結晶構造と持ったもののことを言います。つまり、合成石は化学的・物理的・光学的に天然石とはまったく同じものです。
合成石はそういった意味では本物ですが、自然が生み出した天然石ではなく、人間の手により研究室で作られたものです。
合成石は、宝飾品に使われるだけでなく、時計などのあらゆる精密機械工業に広く使われ「無くてはならない」ほどのものです。
合成ルビーはフランスのベルヌイによって1904年に発明されました。その後、より優れた製法が開発され、様々な種類の合成石が発表されてきました。
合成石には、合成ルビー、合成サファイア、合成スピネル、合成エメラルド、合成クオーツ、合成トルコ石、合成オパール等があります。合成ダイヤモンドについては、宝石品質で十分な大きさのあるものは製造が難しいとされています。今後の物理化学の発達で、すべての宝石の合成石が生み出される可能性があります。
外観から天然の宝石と合成の宝石を区別することは難しいですが、専門家(専門機関)は、天然の宝石と合成の宝石の識別ができます。
今日では合成石は天然石の代用品として、斬新なデザインを試したり、新しいジュエリーの素材として注目されています。
ジュエリーへの考え方も変わってきている現在、よほどの高額でない限り、「資産価値としての宝飾品」は求めない傾向にあります。美しくてデザインが素晴らしく、身に着ける人を素敵に見せてくれることに何よりの価値を見出すようになってきているのですね。