ヘマタイト Hematite
鉱物名: ヘマタイト(赤鉄鉱)
モース硬度: 5~6
主な産出国: アメリカ、ブラジル、スイスなど
宝石言葉: 光栄、誕生、出発
ヘマタイトは不透明で濃いグレーから黒の金属質な鉱物です。ヘマタイトは鉄の鉱石で、欠けた断面に見られる茶褐色の部分は鉄さびと同じような鉄の酸化物です。
この茶褐色は乾いた血の色に似ているので、ヘマタイトは戦闘の護符として使われていました。ヘマタイトはギリシャ語で「血の石」という意味です。そのため、古来から血液と関係する宝石とされて、血液を浄化させるパワーがあるとされてきました。戦士はこの宝石を戦争の神である「マルス」と関連づけ、戦いで身を護ってくれると信じていました。「身代わりの宝石」とされ、持ち主に危険が迫ると、危険を事前にキャッチして、宝石の表面に血潮のような線が浮かび上がるといわれてきました。また、ヘマタイトは訴訟、裁判、嘆願などで勝利をもたらしてくれるとも言われていました。
豊富に採れるうえに安価な宝石なので、ヘマタイトは通常インタリオにカットされます。研磨すると銀色の光沢を帯びるので、ファセットカットのヘマタイトは「黒ダイヤ」も呼ばれ、ビーズにカットされたものは「黒い真珠」のように見え、スタイリッシュな印象の宝石です。
ストーンヒーリングの分野では一貫して「血液」関係の治療によいとされてきました。血止め、血の巡りの改善、貧血や月経不順の予防。生理痛の時は下腹部にかざすと痛みが和らぐそうです。生命エネルギーを高め、自然と活力と自信をもたらす宝石です。
紀元前のアッシリア帝国では宝石として使われていました。スポーツの試合などでのお守りや、危険から身を守る邪気祓いにもなるようです。