ラピスラズリ Lapis Lazuli
鉱物名: ラピスラズリ(青金石)
主な産出国: アフガニスタン、チリ、ロシアなど
宝石言葉: 真実・高貴・誠実
誕生石: 12月
ラピスラズリは古代文明で最も珍重された宝石のひとつです。旧約聖書では神の城を飾る宝石として、仏教では極楽浄土を飾る宝石として、その名前が登場しています。
古代中国では「濃紺の黄金石」と呼ばれており、粉末にされたものが化粧に使われていました。戦利品のリストには黄金よりもさきにラピスラズリが書かれていたそうです。
古代にはラピスラズリの産地はバダクシャン地方(現在のアフガニスタン)だけでした。とても貴重なものでしたので、エジプト商人はバダクシャンの鉱山まで遠路遥々旅し、帰国するまでに何年もかかったそうです。
紀元前5000年頃からエジプトやメソポタミアなどでラピスラズリは「聖なる宝石」として珍重されてきました。古代バビロニアとエジプトの詩歌ではどれだけラピスラズリの価値が高かったかが伺い知れます。ある詩には、月の神シンのことを「ラピスラズリのように輝く」と表現されています。エジプトではファラオのみが身に着けることを許された特別な宝石で、墓からの発掘品にはラピスラズリでできたチャーム、シリンダーの蓋、スカラベなどが出てきています。
また、この宝石は憂鬱や熱を直すと信じられていました。
ラピスラズリは藍色をした宝石ですが、その名前はペルシャ語で「青い石」という意味です。
古代ギリシャ、ローマからルネサンスにかけて、粉末にされたラピスラズリは群青色の顔料として世界に名だたる絵画に使われました。群青色は時とともに濃くなるので、古いキャンバスの色が暗いのです。
他の宝石と異なり、ラピスラズリは単体の結晶ではなく、複数の結晶が混合した「岩石」です。ラズライトという鉱物に白いカルサイト、そして、金色のパイライトでできています。主な産地はアフガニスタン、チリ、ロシアなどです。
2021-03-02 09:55