Vol. 29 ヴァン・クリーフ&アーペル
王侯貴族やセレブ御用達の高級ジュエリー店
一世紀以上にも渡ってヴァン・クリーフ&アーペルは王侯貴族、富裕層、著名人御用達のジュエリーブランドとしての高い名声を維持してきました。アーペルのジュエリー会社は1870年にレオン・アーペルと3人の息子たちがパリのヴァンドーム広場に開いた小さな店から始まりました。
20世紀初頭にアルフレッド・ヴァン・クリーフが会社に加わった後、店の素晴らしい仕事はすぐに王侯貴族、セレブ、名士たちを魅了するようになりました。まもなく、この小さなお店(現在のヴァン・クリーフ&アーペル)はヨーロッパで最も高級なジュエリー店となりました。
1934年にヴァン・クリーフ&アーペルは革命的とも言える「インビジブル・セッティング」(ミステリー・セッティングとも呼ばれます)で特許を取得しました。これは完璧にぴったりと合うようにカットされた宝石が全く隙間なく、そして留めている金属が全く見えない石留方法です。1939年にニューヨークで開催されたワールドフェアで、初めてこの驚くべき技術が公開されました。反響があまりにも凄かったため、ヴァン・クリーフ&アーペルはニューヨークにサロンを開くことになりました。この方法は大変難しく、精巧な技術と長時間(最高の職人が1週間に20個~30個しか留められない)を要するため、一年間に20個位のジュエリーしか制作できないそうです。
長期に渡って、ヴァン・クリーフ&アーペルは歴史的にも目を見張るべきジュエリーを買い入れています。その中でも特筆すべきは、皇帝ナポレオンが贈った「ジョセフィーヌのティアラ」で、ニューヨークのお店のウィンドウに時々飾られます。