Vol. 47 モーリス・ゼール(1901-1995)
ダイヤモンドとジュエリーの販売革命を起こしたジュエリーチェーン創業者
モーリス・ゼールはロシアからアメリカにやってきた移民で、ダイヤモンドとジュエリーの販売革命を起こした人として知られています。広告と分割払いでの販売を初めて導入することにより、ゼールズは世界でも最大のジュエリーのチェーンストアになりました。
ロシアのシェレショフという小さなユダヤ人街に生まれたモーリス・ゼールは、7歳の時に移民でごった返した船に乗り大西洋を渡りました。テキサスのフォートワースで過ごしていましたが、7年生のときに落ちこぼれ、叔父のサミュエル・クルーガーのジュエリーショップで働くようになりました。
1922年、21歳のときにゼールはテキサスのグラハムに彼自身の最初のジュエリーショップを開店しました。彼の考えは労働者階級を含む出来る限り広範囲な顧客に目を向けてもらうことでした。当初は「わらの中の七面鳥」を舗道で踊るというようなものでしたが、次第にそれも洗練されたものに変わっていきました。 ブームとなった1920年代に、彼はその頃には斬新だった分割クレジット払いと組み合わせた新聞広告を積極的に展開した先駆者でした。
大恐慌の最悪な時代を終わると、ゼールは優秀な従業員を昇格させ店長にしたうえで、店舗の拡大をし始めました。旅行で訪れた街を歩いて回り選んだ場所に次々と新店舗を開店していきました。ゼールズのジュエリーショップは1945年には13店舗でしたが、モーリス・ゼールが引退した1971年には1223店舗となっていました。
1969年、彼の功績を記念して、ゼールは434.60カラットのダイヤモンド原石を購入し、そこから、130.27カラットの「ゼール・ダイヤモンド」がカットされました。