ベニトアイト Benitoite

鉱床を探していた採鉱者たちが1900年代始めにカリフォルニアでベニトアイトを発見しました。この透明な宝石は通常ブルーから紫がかったブルー(時々無色のもの、ごく稀にピンク)です。当初は火山性のガラス、その後サファイアと思われましたが、最終的には新しい鉱物だと判明しました。
この鉱物はカリフォルニア州のサンベニト郡で発見されたので、「ベニトアイト」と名づけられました。この場所が現在でも唯一の主な宝石品質の産地です。ベニトアイトは1985年に正式なカリフォルニア州の宝石に認定されました。変成岩石に散らばったかたちでのベニトアイトはカリフォルニアの他地域、中国、メキシコ、日本でも見つかっていますが、宝石品質ではありません。
ベニトアイトはサファイアの色とダイヤモンドのファイア(虹色のきらめき)を併せ持っている宝石といわれています。ベニトアイトのきらめきはダイヤモンドと同等なのですが、宝石の色がそれを隠してしまっています。
宝石品質のものが採れる産地が一箇所ということもあり、ベニトアイトはとても稀少な宝石です。その上、ほとんどのベニトアイトは1カラット以下の大きさで、高品質で3カラット以上のファセットカットされたものに至ると極めて稀少です。
カリフォルニアのポモナ大学の地学部には、知られている中では最大のベニトアイト原石(直径約5.6cm)があります。スミソニアン博物館にはファセットカットされた最大のもの(7.6カラット)が所蔵されています。ロサンゼルス郡立自然史博物館には素晴らしいベニトアイトのネックレスがあります。これは、プラチナとイエローゴールドに52個のラウンドブリリアントカットのベニトアイト(最大2.82カラット)とダイヤモンドがセットされています。
2015-04-08 20:53