Vol. 54 ジュディス・オスマー(1940- )
天然石に最も近いといわれている合成石の開発者
1960年代に航空機会社の研究者として働くかたわらで、ジュディス・オスマーはレーザー研究のためにフレーム・フュージョン法での合成ルビーを作り始めました。後に、彼女は様々な合成石を育てるのにフラックス法を使いました。
1983年、オスマーと物理学者のヴァージニア・カーターは、「ラマウラ・ルビー」と呼ばれる合成ルビーの製造会社「J.O.クリスタル株式会社」を設立しました。このルビーは合成ルビーの中で最も天然に見えるものと言われていました。
オスマーは彼女の編み出した製法の詳細を極秘にしていましたが、高温フラックス法だと知られています。他のフラックス法と違って、オスマーの製法では種となる結晶を使わず、フラックス溶液がゆっくりと冷えてゆくにつれて、結晶の自発的な核形成が行われていくと報じられています。
彼女の製品は天然石に本当に似通っているので、オスマーは天然石と合成石を見分ける方法を開発するために1年間GIAで働きました。
「ラマウラ」合成ルビーの他に、J.O.クリスタル株式会社は、熱水技術を使って製造した「リージェンシー」合成エメラルドを販売しています。