ブラジリアナイト Brazilianite
宝石の世界では比較的「新顔」のブラジリアナイトは、1944年に様々な宝石が採掘されるブラジルのミナス・ジェライス州で発見されました。この宝石の色は通常、淡い黄色から黄色かかった緑色で、クリソベリルの一種類に似通っています。
実際にこの宝石が初めて見つかったときに、クリソベリルだと思われていましたが、鉱物学者のフレッド・ポーは結晶系が異なっていることに気がついていました。また、ブラジリアナイトの硬度は5.5で、クリソベリルの8.5よりも著しく低いうえに、クリベージ(割れやすい面)があります。その後、ポーともう一人の鉱物学者は、この宝石は本当に異なったものであると結論づけ、多くの素晴らしい宝石を産出しているブラジルという国に敬意を表して、この宝石を「ブラジリアナイト」と名づけました。
ブラジルでの発見後数年して、ブラジリアナイトがアメリカ・ニューハンプシャー州での発見されました。今までのところ、ブラジリアナイトはこの2箇所だけで産出されます。ブラジリアナイトは硬度が低くクリベージがあるため、ジュエリーにするには適しません。宝石としてカットされるのはコレクターのためだけです。また、5カラット以上の大きさのあるファセットカットされたものはとても稀少です。