サファイア Sapphire (9月の誕生石)
鉱物名: コランダム(鋼玉石)
モース硬度: 9
主な産出国: スリランカ、ミャンマー、タイ、インド、オーストラリアなど
宝石言葉: 賢明、誠実、真理
誕生石: 9月(青く澄み渡った秋晴れの空を思わせることから)
守護石: 牡牛座
サファイアというと青を思い浮かべる方が多いでしょうが、サファイアはコランダムという鉱物のうちで、赤以外の色のものの総称です。ちなみに赤のコランダムが「ルビー」です。サファイアは青が一般的ですが、緑、オレンジ、黄、金色、赤紫、ピンクなどもあります。サファイアの語源がギリシア語やラテン語で「青」を意味することから、一般的にサファイアはブルーサファイアのことをさします。青の中でもインド・カシミール産のコーンフラワー(矢車菊)ブルーは最良質とされています。
青以外のサファイアをファンシーサファイアといい、普通は「イエローサファイア」のように、色名+サファイアで呼びます。なかでもスリランカ産で、ピンクがかったオレンジ色のパパラチア(蓮の花)サファイアは希少価値が高いものです。サファイアの主な産地はオーストラリア、スリランカ、タイです。
出エジプト記によると、神がモーゼに与えた十戒は、サファイアの石板に書かれていたとされています。古代から、サファイアは純真と真実に代表される神聖性に関連づけられ、神のご加護を得えられると信じられていました。また、サファイアは、目の病気や疫病の薬、解毒剤として使われました。魔術師は、かすかな御神託を聞き取るため、サファイアをもっとも好んだということです。
世界でもっとも有名で美しいとされるサファイアは、ワシントンのスミソニアン博物館が所蔵するローガンサファイア(423カラットのスリランカ産のブルーサファイア)です。スミソニアンにはその他にも98.6ラットのビスマルクサファイアや、92.6カラットのビルマ産イエローサファイアなどがあります。トロントのロイヤルオンタリオ博物館や、ニューヨークのアメリカ自然史博物館にも素晴らしいサファイアが所蔵されています。
現代でも、セレブが所有しているものの中に素晴らしいサファイアがあります。英国王室ではアン王女とダイアナ元妃の婚約指輪はサファイアでした。また、エリザベス・テイラーのジュエリーコレクションには、20カラットの婚約指輪や77カラットのビルマ産サファイアのペンダントがあります。