トパーズ Topaz (11月の誕生石)
鉱物名: トパーズ(黄玉)
モース硬度: 8
主な産出国: ブラジル、スリランカ、ミャンマー、ロシアなど
宝石言葉: 友情、忠実
誕生石: 11月
守護石: 射手座
シェリー酒の色とベルベットの外観をもつといわれるトパーズ。赤みがかったオレンジ色のものは特に「インペリアルトパーズ」と呼ばれます。トパーズには黄色やオレンジ色のものだけでなく、無色や青など多くの色調のものがあります。ダイヤモンドに匹敵する優れた光沢が美しい宝石です。
トパーズの名前の由来はギリシャ語の「トパゾス」(紅海に浮かぶ島の名で探し求めるという意味)です。探求するという言葉が幸福の探求に転意し、また、夜も輝くことから、この宝石は暗闇の恐怖や邪悪を追い払うと信じられていました。古代エジプト人は、トパーズの金色は太陽神ラーの放つ光によると思っていました。古代ローマ人もまた、トパーズを太陽の神ジュピターになぞらえていました。
ギリシャ人はトパーズが力を与えてくれると信じており、悪夢や魔力から守ってくれ、知恵を与えてくれるお守りとして身に着けていたそうです。伝説によれば、この宝石を身に着けると、いざというときに他の人から見えなくなり、美しさ、知性、忠誠、そして長寿を確かなものにするといわれていました。様々な病気にも効くと信じられており、喘息、不眠症、出血、火傷などの治療のために粉末にされたトパーズがワインに混ぜて飲まれていました。また、毒の入った食べ物や飲み物に触れると色が変わるとも言われていました。
かつてインドでは傷口を治すヒーリングジェム(治癒の宝石)、古代エジプトでは体力を回復させる宝石、また現在ではビタミンCを得る宝石などと言われ、健康を保つお守りとしても知られています。
博物館に所蔵されているなかにはトパーズの逸品が見られます。中でも最大級のものとしては、アメリカ自然史博物館所蔵の「ブラジルのプリンセス」と呼ばれるブルーのトパーズで約21,000カラットです。