ガーネット Garnet (1月の誕生石)
鉱物名: ガーネット(ざくろ石)
モース硬度: 6.5~7.5
主な産出国: スリランカ、ブラジル、アメリカ合衆国など
宝石言葉: 貞操、友愛、忠実
誕生石: 1月
守護石: 山羊座
ガーネットといえば美しいワインレッドの宝石を想像する人が多いようですが、実はいろいろなカラーバリエーションがあります。ガーネットと呼んでいるのは、組成が似た7種類の鉱物「ガーネットグループ」の宝石のことです。
アルマンダイト(濃い赤から茶色がかった赤)、パイロープ(血の赤)、ロードライトガーネット(赤紫)、スペサタイト(赤みのあるオレンジ色)などが赤ですが、アンドラダイト(黄色・緑・茶色)、グロシュラライト(オレンジ・緑・黄色など)は様々な色合いのものです。ロシアで少量産出されるエメラルドグリーンのデマントイドは、ダイヤモンドのような強い輝きがあるため、古いドイツ語でダイヤモンドの意味の「デマント」が名前の由来です。
古代では赤い宝石は血を連想させるため、赤いガーネットは血を止め、炎症を抑えると言われていました。また、不仲を解消させる(=流血の事態を防ぐ)とも信じられていました。それとは反対に、アジアや北米の部族では、ガーネットで死傷を負わせることができると信じ、より激しく流血させるために、手榴弾にガーネットを詰めていたそうです。
ガーネットの語源はラテン語のグラナタム(ざくろの意味)です。ちなみに、和名は「ざくろ石」です。
ガーネットは紀元前3000年には古代エジプトでジュエリーとして使われていました。キリスト誕生よりずっと前から珍重されてきたとても古い宝石なのですね。ノアが方舟で40昼夜も豪雨の中を漂流したとき、火のように輝くガーネットを舳先の明かりにしたと言い伝えられています。
ガーネットという宝石には様々なパワーがあると信じられてきました。憂鬱症や動悸を癒し、悪意を追い払い、創造性を豊かにする。また、持ち主を毒から守り、肺や血の病気を治し、怒りを抑え、不仲を解消するとも。旅人には健康のお守りでした。